SS Vol3 シチュエーション 「男勝りなツンデレがエアコンをたかりにきたら」 朝、朝食も食べ終わりベッドに腰かけてゆっくり音楽鑑賞をしつつ昨日買ってきた漫画本を読んでいると、ダンッというドアが開く音と共に、 勝美がなだれ込んできた。 「エアコンたかりにきたぜ!」 とか言って。 「相変わらず急だな」 「涼しー、最高!」 メッシュ地のノースリーブの上着に、同じくメッシュ地のハーフパンツといった、今から何か運動部の練習ですか?的な格好をした勝美は、部屋に入ってくるなり、エアコン送風口の前に両手を広げて立ち、そんなことを言った。 女だと主張しているのは、人並みに育った胸と黙っていれば美人な顔ぐらいだろう。 言葉遣いといい、格好といい、非常に男っぽい。 身長も170センチ近くあるから、俺と5センチ程度しかが違わない。 「聞けよ!だいたい、エアコンなら勝美の”部屋”にもあるだろ?」 「やなんだよ電気代食うから。親にも地球環境は大切にせにゃならんと言われてるしよ」 勝美はそう言いながら、今度は扇風機前に移り、首ふりを止めて自分のほうだけを向けた。 「で、俺の部屋に来たと」 「まあなー。部屋ん中35度超えちまってな。さすがに暑くて限界超えちまった」 確かに、勝美の部屋は日当たりを重視したあまり、冬場は良いが夏は地獄だ。 35度を超えるとなると、少し動けば汗がブワッ、だしな。 「なるほどな。でも本当は俺に逢いたくて来たんだろ?」 にや、と笑い勝美を見やる。 「ばーか、何言ってんだ。何でアタシがお前と顔を合わせるために来ないとなんねーんだよ」 「そう言う割には、少々顔が赤いようですが」 「うるせー!暑いからだ!」